2002年11月10日
<プロローグ>
私がアンコール・ワットを知ったのは1998年にタイへ行った時である。カオサンの安ドミトリーの同部屋だった日本人に「あそこは他の遺跡とは違う。絶対に行くべきだ。」とその素晴らしさを熱く語られた。その後インド、マレーシアへ行った時にもアンコール・ワットは話題に上る事があり、話す人全てが絶賛する。「アンコール・ワットへ行かねば損をする。」そんな気にさせられて卒業旅行が終わり就職。ひょんな事から会社を辞めアンコール・ワットへ向かうべく、バンコクの安宿街カオサンにいる。
<一日の始まり>
ピピピピ〜〜〜という機械音で二人の男が目が覚ます。時間は5時少し前。空港からカオサンへ向かう途中に知り合った日本人と部屋をシェアしているのだ。彼もシェムリアップへ行くそうだが私と行動を共にする気はないらしい。列車に乗るからと言ってすぐに部屋を出て行った。私は更に1時間ほどゆっくりして宿をチェックアウトする。
<バスで国境へ>
私は今日バスでシェムリアップへ向かう。チケットは昨日買った。
(カオサンからシェムリアップへ向かうツアーについてはここを参照)
朝、昨夜とはうって変わって人通りの少ないカオサン通りをツアー会社指定の集合場所へ向かう。ここへ来たのは4年ぶりだ。前はもっと怪しい雰囲気がしていたのだが明るい店構えの建物が増え、若いタイ人がたくさん歩いていたりして全く様子が変わってしまっている。コンビニもセブンイレブンが1軒あるだけだったがファミリーマートができていた。
集合場所で待つこと約15分。ピンクのシャツを着た若いタイ人が迎えに来る。彼に連れられ何十人かの旅行者はバスへ向かう。私の他に日本人もいるようだ。バスはあまり綺麗ではないがクーラーが効き特に問題は無い様に思えた。 ある程度時間が過ぎてからバスは出発。途中、更に人を乗せる為に何度も停まりながら約5時間かけて国境の町アランヤプテートへ着く。
バスが停まったのは国境近くにぽつんと一軒だけ建っている食堂。私はビザを日本で取って来ていたので関係なかったが持っていない人はツアー会社に頼んで取得していた。(1200B)ここで出入国カードが渡される。ここで1時間待たされやっと国境へ出発する。
<国境越え>
バスを降りて少し歩くと国境が見える。ここの国境にはアンコールワットを模したゲートがある。タイ側国境にはマーケットがあり賑わっている。チップ目当てで傘を差してくる子供たちを無視しイミグレーションへ。何事も無くさっとパスする。カンボジア側のポイペトと言う町は至る所で工事をしておりタイ側とは様子が異なる。イミグレーション近くで待っているはずのバスを探すが無い。バスではなく乗り心地が悪そうなピックアップトラックが私達を待っていた。
<ピックアップトラックの旅>
荷台は辛そうだからと車内に空きがあったのでさっと乗り込む。誰も文句を言ってこない。場所取り完了!やった♪
車内に運転手とガイド2名、乗客4名。かなりキツイ。更に荷台に乗客8名と荷物を乗せ車はゆっくりと発進する。とにかく道が悪い。舗装路なのに車が上下に激しく揺られる。ガイドが「この道はダンシングロードと言うんだ」と自慢げに話す。道の所々に大きな穴がある。それを避けるためにジグザグに時速30〜40Kmのスピードで走る。
景色は地平線まで平原が続いている。たまに小さな村を通り過ぎる。村は土とわらで作られた粗末な家がほとんどで板を使ってしっかり作っている家はわずかだ。この辺りはまだ地雷の撤去がほとんどされていない所で道を少し外れると危ない。のどかで美しい景色なのだが私は素直に素晴らしいとは思えなかった。
途中、2回休憩しピックアップトラックは薄暗くなり始めた道を相変わらずジグザグに上下に揺れながら進んで行く。この先に大きな難関があるとも知らずに。
<大穴>
空が闇に包まれた頃、奴と出会う。道の所々に水溜りが出来始め、更に進むとトラックや車の行列の最後尾に着いていた。ドライバーは道の隅を通って少し進んだがそれから全く動かなくなった。
車の外に出るとかなり蒸し暑い。背の高い水草が道以外の所にざーっと生えている。ここは湿地帯のようだ。ガイドや他のツーリストと共に渋滞の先頭まで歩く。先には大きな水溜りがあり、大きなトラックがはまって動かなくなっていた。一度車まで戻りガイドと話をしたが彼は携帯電話を使ってシェムリアップからバスを呼んだと言う。「1時間待て」そう言われ待つがなかなか来ない。結局、渋滞にはまってから4時間後バスが着いた。(苦笑)
荷物を持って水溜りを渡る。裸足で渡ったが泥がぬめぬめして気持ち悪い。やっとの事で水溜りを渡り待っているはずのバスを探すが無い。バスではなくピックアップトラックよりはマシか・・・という大型トラックが私達を待っていた。(笑)
<シェムリアップへ>
トラックの荷台に荷物が敷き詰められ、泥だらけの足で各々荷台へ乗り込む。荷物は勿論泥だらけ。しかし、シェムリアップへ向かえる安堵感からそんな事はあまり気にならなくなっていた。ダンシングロードをトラックは走り出す。トラックが優秀なのか気分の問題か、今まで感じていた道の凸凹もあまり気にならない。
ふと空を見上げると星が、何万という星が夜空を覆い尽くしている。オリオン座の周りにあんなに星があったのか・・・そんな事を考えながらたいして詳しくない星をぼーっと眺めていた。
やがて道は舗装路へ変わりシェムリアップの町へ。町外れのゲストハウスでトラックは止まる。日付が変わり時間は0:40。約18時間の移動。別の宿を探す気力も無くその宿で一晩過ごす事にした。
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